Y-3Y-3
INSIDE OF CREATOR’S MIND Special Interview with MARIPOL
 

2014.05.09



ポラロイドアーティストMaripol来日スペシャルインタビュー。



70年代を代表するポラロイドアーティストMaripol (マリポル) は、NYを拠点に活躍。ポップアート界の大物アンディ・ウォーホルやジャン=ミシェル・バスキアと親交を深めた ことでも知られ、マドンナの代表作「Like a Virgin (ライクアバージン) 」のアルバムカバーを手掛けたことで一躍有名となった。



そんな彼女が今回、自身の日記や詩集、またエロチックなプライベート写真などを収録した、全世界限定600冊の写真集 “MARIPOLA X”の発売記念サイン会のために来日。作品集の見どころや、今後の活動などについて聞いてみた。









ー今回で来日は何回目になりますかー


15回目になるかしら。78年から定期的に来ていて、最初に日本を訪れたのは私がFiorucci (フィオルッチ)のデザインに関わっていた頃で、香港の工場へ行く途中に寄ったの。それ以来、日本が大好きになりよく訪れるようになったわ。当時、原宿で注目されていた“ピテカントロプスエレクトス”というクラブへも行ったわ。そこではアートや音楽、ファッションなどに関わる色々な人たちと交流すること出来て、今でも親交のある“プラスチックス”のメンバーとは、そこで出会ったのよ。





ーその頃の東京から何かインスピレーションを受けたことはありますかー



その頃は、原宿ならではのカルチャーを発信しているような、独特のかっこよさがあるお店がところどころに存在しているような感じだった。東京へきて、色々なカルチャーが発信されている生の現場を見ることが出来たことは、とてもいい体験になったわ。実際に自分でも色々なものを発掘できたしね。

それと当時は、代々木公園に色々な格好をした人たちが集まって踊っていたの。中でも、ロカビリーファッションに身を包んだ人たちが目立っていたので、私は彼らの写真を撮って、その後“MARIPOLARAMA”という私の作品集にも載せているわ。





ー今回、滞在中に訪れたい場所はどこかありますかー



実は日本に着いてすぐ、六本木の森美術館で開催中のアンディ・ウォーホル展へ行ったわ。森美術館は、展示内容も素晴らしいし、館内にあるショップも興味深いものが売っているので大好きな場所のひとつよ。


それと、来日した際は必ず浅草へ行くの。私はアクセサリーのデザインもするので、浅草界隈にあるパーツの専門店にも行くわ。話題のスカイツリーも気になるわね。あと日本はTOTOも最高よね! 何と言ってもあの機能性とデザイン。実は私TOTOのトイレをNYに持って帰ることが夢なのよ(笑)。





ー今回の作品集では、多くのポラロイド写真のコレクションが収録されていますが、特に思い入れのある写真はありますかー



実は全ての写真に思い入れがあるわ。特にノスタルジックな気持ちに浸かるわけではないけれど、撮影した当時はエイズが広まる前で、皆がセクシャルな 表現を自然に、そして自由にやっていた時代だったの。今回収録している写真は、自然体で自由なセクシーさを感じさせてくれるものなので、全ての写真に愛が こもっているし、写っている人達それぞれに気持ちが詰まっているわ。







 

ー同じく収録されている詩はどういう時に書かれたものですかー

私にとって詩は、何か特定の気持ちの時に書くものではなくて、自分がリラックスするために日常的に書いていて、夕方や寝る前などに書くことが多いわね。何かを書こういう気持ちで書いているわけではなく、自然にペンを綴る感じかしら。

今回の作品は、詩とポラロイド写真に関連をもたせてひとつの世界観を作ってみたわ。これまで撮影したポラロイド写真とこれまで書いた詩を、同じストーリーとして語れるように、その2つの要素を合わせた内容になっているの。


テーマは、“ピュアな気持ちで誰かを愛する時”、“失恋した時”、そして“セックス”という、とてもパーソナルなものになっているわ。それと、その作品の中から二つ選んで歌も作ったの。そのCDは、本の発売と合わせてリリースしたので、歌と一緒に本を見るとまた違った雰囲気を楽しむことができかもしれないわね。





ー1970、80年代、様々なアーティストと一緒に、素晴らしいシーンを築いてこられていますが、その中で何か印象に残っているエピソードを教えて下さいー

アンディ・ウォーホルが自ら言った“現代では、人は誰でも15分間は有名でいられる”という言葉のように、あの当時は、新しいアートを発表する人や、誰も作ったことのないような音楽を発表する人、写真、デザイン、ファッション、演技、舞台など、様々な形で素晴らしいアイデンティティが溢れていて、常にエキサイティングだった。


特に私の周りでは、初めて“何か”を表現する人たちが沢山いたから、誰がいつどんな風にして有名になったか、その瞬間に立ち会えたことは、私にとって、本当に素晴らしい体験となったわ。



ただ、よくジャーナリストの人たちに“今よりも当時の方がエキサイティングだったのでは?”と聞かれるけど、確かに今振り返れば“私は素晴らしい歴史を真ん中にいたのね”って思えるけど、あの当時は自然にそういったことが起こっていたので、今となっては凄いことだけど、私にとっては日常的なことだったの (笑)。



私から言わせれば、今の若い人たちだって、とてもエキサイティングなシーンの中にいると思うわ。だって“これから有名になりそうな人”や“何か輝きを秘めている人”を見いだしていくのは、若い世代の人たちなんだから。





ーこれから取り組みたいプロジェクトはありますかー



実はちょうど今、ファッション関係の仕事も再開することになって、“each other”というパリのブランドのジュエリーや洋服のデザインに関わっているわ。



それと、自分の手を使って、“モノ”を作るという制作の原点を大切にしているので、これまでに撮影した膨大な数のポラロイド写真のアーカイブ作業に取りかかりながら、新たに何か表現したいと考えているところよ。実はこれまでに撮影したポラロイド写真を一度も捨てたことがないの。



ウォーホル展に展示されていたような、アーカイブ作品に関連したものを、ひとつのボックスにまとめる、という表現方法にもインスピレーションを受けたので、私もそういった形で自分のアーカイブを、ひとつのボックスに集約させてみたいわ。そして、そのアーカイブ作業をドキュメンタリー映像として残すのもいいわね。ウォーホルのファクトリー時代の作品は、どういう風な工程で作られたのかなど、残っているものがあまりないので、工程や作業風景などを記録して、私はひとつのアーカイブ作業を終えることが出来ればなと思っているわ。



それと、これまでデザインしたアクセサリーも沢山あるので、ポラロイド写真と組み合わせた作品を作ってもみたいわ。





ー最後に、マリポルさんがお気に入りのNYのオススメスポットを教えて下さいー



今は、マンハッタンよりもブルックリンやブロンクスが面白いわ。マンハッタンは、値段が高いしクリーンになりすぎているから、アーティストたちにとってクリエイティビティな場所ではない気がするわ。





photographer:Moshe Brakha


マリポル(Maripol)
フランス育ち。ニューヨークに拠点を移してから、様々な部品を組み立てた立体アートの才能が買われ、イタリアのファッションブランド“Fiorucci (フィオルッチ) ”のアートディレクターに就任。その後、ファッションアクセサリー会社を設立し、ポップアート界の大物アンディ・ウォーホルや、ジャン=ミシェル・バスキアと親交を深め、更に彼女が一躍有名になるきっかけとなるマドンナの代表作「Like a Virgin (ライクアバージン) 」のアルバムカバーをデザイン、スタイリングする偉業を達成した。バスキアが主演したカルト映画“ダウンタウン81”のプロダクションも手掛け、2000年のカンヌ国際映画祭と併行して開催されるThe Director’s Fortnight(監督週間)のラインナップにも選ばれた。最近の活動では、マークジェイコブスとのコラボ商品を出したり、また昨年、アメリカ人画家の キース・ヘリングのドキュメンタリー映画“The Message”の監督を務めたことでも注目を集めている。

 



今回、世界限定で600冊発売される作品集“MARIPOLA X”



 

自身の日記や詩集、またエロチックなプライベート写真なども初めて披露。 200枚近くにおよぶポラロイド写真のコレクションは、官能的でエロチックな数々のシーンを色鮮やかに記録した回顧録であり、80年代のニューヨークの裏 舞台を、天真爛漫に、そして赤裸々に表現している。また、マリポルが1977年~2013年の36年間で自分の為に書いた69もの詩は、オリジナルの言語(英語もしくはフランス語)にて収録されている。これらの作品を通じて、彼女のアーティストとしての創造力の源である、愛、性、遊び、ファンタジーが垣間見える一冊となっている。



“MARIPOLA X” /ハードカバー/カラー/2013年刊
¥9,720 (Tax in)

 





作品集と同時に発売されるMaripolによる“MARIPOLA X songs”





歌はMaripol自身が歌い、音楽はLeonard Lasryが担当。収録されている詩の英語の“Tuesday”及び仏語の“Passion in the Desert”は、今回発売される作品集“Maripola X”にも掲載されている。
2曲収録/¥1,620 (Tax in)。
 





■本のお問い合わせ
BOOKMARC
MARC JACOBS CUSTOMER CENTER / 03-4335-1711









DATE : 05.09.2014 | CATEGORY : CULTURE

635pxライン画像

THROWBACK