Ibrahimのアート作品の中でも最も注目を集めたのが、自らのアートチームメンバーと、昨年の夏に仕上げたOl' Dirty Bastard (ODB)の壁画であろう。モデルとしても活躍する彼は、Dsquared等の有名ブランドから、ファッション誌、ファッションショーモデルとしても活躍。昨年の春にはCentric TVで放映したモデルのリアリティ番組「Model City」にもメインキャストとして登場するなど、今後注目の若手アーティストである。
Universe : アーティストになったきっかけは?
Ibrahim : 高校の時にスポーツの奨学金で大学進学を目指したんだけど、その時にたくさんのトラブルに巻き込まれ、自分の将来の道を変えることにしたんだ。そんな中、アートスクールに通うことを決心したんだ。僕のおじさんが、その事にすごく協力的でアートに専念することができたし、アーティストになりたいと夢を持つ事ができた。それ以来かな。そして、モデル事務所から気に入られ、事務所に所属し、プロのモデルとしても活動している。
Universe : アートへ対する思いを聞かせてください。
Ibrahim : アートを通して僕の人生における考えを伝え、ストーリーを語れるのは素晴らしいことだと思う。僕は、アートスクールでイラストを学んだから、言葉であろうと、絵の具や筆であろうとストーリーを伝えるのが得意なんだ。アートは、声を出さずにストーリーを語るためのプラットフォームだからね。
Universe :あなたのアートを一つの言葉で表現すると、何ですか?
Ibrahim :「悟り」かな。僕の作品は、全て「悟り」が焦点なんだ。観客が知らなかったことを僕のアートを通して、インスパイアーされたり、気づいてくれることが、アーティストとしての役目だと思っている。
Universe :あなたのアートを通してどんなメッセージを世界へ届けたいですか?
Ibrahim :まだ語られていないストーリーを、ジャーナリスト的視点で世の中に伝えていきたい。多くの人達は実際に問題になっている素材にアプローチすることを恐れていると思うけど、僕はアートを通してそういう問題に注目し、みんなに目を向けて欲しいと思っている。そして、新しいものではく、昔からの哲学をアートを通して現代へ伝えていきたい。
Universe : アートとモデルの共通点は?
Ibrahim :僕にとってアートはクリエーションであり、自分の考え、脚本、イメージ、ルックス等の全てを作り出しているものだと思う。モデルに関して言えば、姿、役柄、ストーリーをフォトグラファーと一緒にコラボレーションしながら作品にしていくから、アートと同様に、「作り出す」という部分が似ていると思うよ。
Universe :どのくらい今の家に住んでいますか?あなたにとって「生活する空間」とは何ですか?
Ibrahim :ここには2年住んでいる。「生活する空間」とは、自分の好きなことができる環境が整っていること。僕は、絵を描いたり、映像制作したり、ワークアウトしたり、友達を招待してハウスパーティーをやるから、それぞれの僕の行動に適した部屋が今あると思う。
Universe :家で一番好きな部屋はどこですか?
Ibrahim :キッチンだね。料理したり、食べたり、友達と話したりする場だからね。
Universe :家の中で大切なものを3つ選ぶとすると何ですか?
Ibrahim :1番目は、リビングルームに飾ってある「Prison Planet」というアート作品。自分の作品の中でもこれが一番気に入ってる。2番目は、自転車。どこでも自転車で移動してるよ。3番目は、猫達。母親の名前はKoaで、子猫にはまだ名前をつけていないんだ。Koaという名前は、ネイティブ・アメリカンの名前で、「パワフルな動物の魂」という意味なんだ。
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Interview&Text : Mimi Tamaoki
Photo : Mari J Brooklyn