先日、原宿・BOOKMARC (ブックマーク)にて、グラフィティアーティストのStephen Powers (スティーブン・パワーズ) の作品集 “A LOVE LETTER TO THE CITY” の発売を記念したサイン会が行われた。今回、サイン会と自身の個展のために来日した彼にインタビューを敢行。
ー来日は何回目になりますかー
今回で4回目の来日で、最後は2009年になります。
ーその頃と比べて、東京は何か変わりましたかー
変わった部分もあると感じるし、変わらない部分もあります。ただ言えることは、いつ来ても楽しめる街ですね。それと、日本を訪れて一番感激したのは、皆さんが温かいということ。居心地が良いので、自分が自分らしくいられます。
来日して楽しかったことは?
毎日が楽しくて、エキサイティングだから、ここ8日間は眠れてないよ(笑)。皆さん明るくて、素晴らしい人たちばかり。それに、オシャレな着こなしをしている人たちがたくさんいるので、色々な人と話をしているだけでも、本当に楽しい気分になります。天気にも恵まれたし、こうしてサイン会や個展を開くことが出来てとても嬉しいよ。
サイン会では、来場者から名前を聞きイラストとともに描き、優しい一面も見せてくれた。
ー今回、原宿の街中にいくつかペイントをされましたが、印象に残っていることは?ー
近隣の状況を考慮したり、警察の許可をとったりと、手配しなければならいことが多かったですが、このような形で僕の作品を残すことが出来てとても満足しています。色々な人に“何故、壁にアートを描くのか”を説明すると、皆さんが興味を抱き、理解を示してくれるのでやりがいがありました。
中でも一番印象に残っているのが、僕がペイントをしている時に子供が近寄ってきて、その子供が母親に「この人は何をしているの?」とたずね、その母親が「この人は、日本にとってとても素晴らしいことをしている人よ」と答えていたのを聞き、とても感銘を受けました。
ー今回創ったペイントのコンセプトを教えて下さいー
まずは、日本の人たちに親近感をもってもらいたかったので、僕が得意とする“文字”ばかりではなく、イラストで表現することをメインに選びました。文字を書くことで伝えられるメッセージもありますが、“アイコン”的なものでコミュニケーションを図ることにチャレンジしてみました。
ー“文字”での表現として、今回“now is forever”というメッセージを描かれましたが、その内容を教えて下さいー
あえて一番大きな壁に“now is forever”とメッセージをペイントしました。これは、“震災”へのメッセージでもあります。このペイントを通し、お互いを意識し合い、助け合うことで、想いは永遠に繋がるということを表現しました。
左:会場は彼のファンでいっぱいとなった。
右:BOOKMARCの入り口に描かれた今回のペイント。
◇スティーブン・パワーズ作品集“A LOVE LETTER TO THE CITY”はBOOKMARCで発売中。
■スティーブン・パワーズ(Stephen Powers):
スティーブン・パワーズはフィラデルフィアのオーバーブルックで6人家族の中で生まれ育つ。グラフィティと出会い、本格的に描き始めたのは1984年のことで、“これが人生のスタートになった”、と彼自身が語っている。彼の作品は、ニューヨークのギャラリー“ダイチ・プロジェクツ”でも多数展示され、ヴェニスやモダンアートの祭典リバプール・ビエンナーレでも展示されるようになり、2007年にフルブライトの奨学生となり、その奨学金を使って、ダブリンとベルファストにストリートアートを描いた。
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