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Willy Chavarrria New York – Tokyo – Copenhagen
 

2018.04.13




注目のデザイナー、ウィリー・チャヴァリアの魅力に迫る

メキシコ人の父とアイルランド系のアメリカ人の母を持ち、カリフォルニアで生まれたファッションデザイナーの[Willy Chavarria (ウィリー・チャヴァリア) ]。幼少時代に身近に育ったチカーノ文化に影響をうけたデザインは、シンプルでありながらエモーショナルなメッセージ性が強く、不思議と着る人を勇気づけてくれる。混血の家庭で育った環境、幼い頃から人種問題の深刻さを自覚していた彼だからこその表現なのだろう。現在は活動拠点をニューヨークからコペンハーゲンに移し、新たなインスピレーションで、躍動的にデザイン活動を続けている。今回は、ウィリー・チャヴァリアの生い立ちから、ファッション哲学について語ってもらった。


Willy Chavarrria

                                右 Willy Chavarrria



ー まず初めに、あなたの出身地のサンホアキン・バレーでは、どのような幼少時代を過ごしましたか聞かせてください。そして幼少時代の経験は、あなたのデザインキャリアにどんな影響を与えましたか?


「僕は、カリフォルニアのサンホアキン・バレーで、シンプルな価値観や素朴な人たちに囲まれてのびのびと育った僕には、ファッションの世界はもの凄く遠い存在だった。当時は、インターネットもない時代だったから、僕のインスピレーション源はすべて映画や雑誌からだったね。とにかくファッション界に憧れを抱いていて、自分もそのシーンの一部になりたいと思っていたな。


謙虚さを常に大切にする愛情あふれた素晴らしい家族の中で育ったから、人種差別が共存するアメリカでの社会正義と愛の価値観を家族から学んだよ。これは今でも僕が一人の人間として、そしてデザイナーとして大切にしていること。そして、自分のメキシコ系アメリカ人のルーツは、僕のデザインから感じてもらえると思う。」



ーブランドはいつから始動から、ご自身のブランドをスタートしたきっかけはなど、キャリアバックグランドについてお話ください。


「当時僕はVolerで、サイクリングウエアのグラフィックデザインを担当していたんだけど、その作品をラルフ・ローレンが気に入ってくれて仕事のオファーをもらったのが、僕のファッションキャリアの始まり。


一番はじめは、外注としてRLXラインのパフォーマンス・アパレルを担当して、その後、インハウスのプリントデザイナーとして、ちょうど2000年だったかな。NYのラルフ・ローレンで働くために、カリフォルニアから引っ越したんだ。ラルフ・ローレンの全てのカテゴリーを担当させてもらったよ。5年間の素晴らしい経験だった。


そして、デザイン・ディレクターとして、American Eagle Outfittersに転職し、そこでは、デザイン、プロダクション、マーチャンダイジングの全ての分野を学んだよ。同時に、2010年にパートナーのデヴィッド・ラミレスとソーホーに小さいビンテージショップ “パーマー・トレーディング・カンパニー”をオープンしたんだ。セレクトは、ビンテージのメンズウエア、アクセサリーや家具。企業との掛け持ちだったから、自分の情熱を100%ぶつけることは出来なかったのが少し心残りかな。


こうして大きい企業で働いていくうちに、自分の気持ちをピュアに表現できる作品を世の中に紹介していきたいと思ったんだ。ファッションを通して、人々を夢中にさせたり、インスパイアできるストーリーを語ることができると思ったのもこの時期だったかな。ちょうどビンテージショップも経営していたから、ここで自分のインハウスのブランドをスタートして、ディッキーズとパートナーを組んだりもした。その反響が良くて、2015年秋・冬に自分の名前 [Willy Chavarrria] でブランドをデビューしたんだ。」






ーあなたのブランドを3つの言葉で表現すると何でしょうか?


「1つ目は “包括的”。性、人種などを差別しないで全てを受けいれることができること。2つ目は“エンパワー”。自信を与えることができること。そして3つ目は “勇敢”。危険や困難を恐れずチャレンジしていくこと。」



ーNYのソーホー地区に旗艦店を構えていますが、どのような空間作りを心がけていますか?

「ソーホーにショップをオープンしたのは、実際に洋服を着て、お客さんが自分の洋服のことを肌と心で感じて欲しかったからなんだ。客層は、若者、年配、男性、女性と様々。ショップがあることによって、みんなが僕の洋服のアティテュードと着心地を感じてくれると思うし、スタッフのみんなは、フレンドリーでファッションに愛を持っているから、きっと楽しく買い物できるはず。とにかく僕の洋服を着て、ハッピーになって欲しい。」



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「ショップには、自分のブランドの他に、自分と同じ感性を持ったデザイナーのジュエリーブランドを置いたり、今後も同じバイブスを持ったアーティストたちとこの空間をシェアしたいと思ってるよ。」



ー現在は、コペンハーゲンを拠点としていますが、その理由は?また、コペンハーゲンとニューヨークの違いを教えてください?


「コペンハーゲンのファッションは、とても清潔感があり、ダイレクトなアプローチだと思うんだ。ファッション界は控えめだけどね。そして、住んでいる人たちが礼儀正しく、素直。きっとそれは、長く豊かな歴史が影響し、人々の態度も凛としているんじゃないかな。


コペンハーゲンに引っ越した理由は、ヨーロッパの真の美を感じるため。王国時代の建築やアート、そして年配の人たちがファーコート着てサングラスかけ、自転車に乗っている光景にはいつもインスパイアされるね。僕にとってこの街は、今ままでに行った都市の中で最も美しく感じるから、しばらくはここに住んでみるつもりだよ。僕の夫と一緒にここに引っ越してきて、ニューヨークの生活よりもコペンハーゲンでの生活の方がバランスがとれてヘルシーなライフスタイルを楽しんでいるんだ。


逆にニューヨークは、もっとアグレッシブでエモーショナルな部分があると思う。ニューヨークでの生活はハードだから、そこに住む人々もそれぞれ個性的なパーソナリティがあって、凄い活気にあふれている街だね。こういう全く異なる街の要素を自分のデザインに取り入れていきたいんだ。」



ー2017秋冬コレクション『American Me』は、チカーノギャングの世界を描いた映画『アメリカン・ミー/American Me』(1992)からのインフルエンスが感じられますが、この映画はあなたにどのような影響を与えましたか?


映画『アメリカン・ミー/American Me』のネーミングは、僕のコンセプトに近いバイブスを持っているんだ。アメリカでは、大統領がメキシコ人のことを卑下してスピーチするんだよ。まるでメキシコ人は本当のアメリカ人でないかのような扱いでね。でも実際に西海岸には、長年のメキシカン・アメリカンのインフルエンスがたくさんある。だからこの映画タイトルは、僕のチカーノスタイルの根本を表現するパーフェクトなタイトルだと思ったんだ。」






ーそして、コレクションのビデオスタイリングはKarlo Steel、映像はMichael Choで、今のファッションシーンで活躍している方達とタッグを組んでいますが、彼らと一緒に作品を作るようになったきっかけは?


「ニューヨークは、才能のある人たちに出会えるマジック・シティ(笑)。たくさんのクリエイテブなマインドを持った人たちが、芸術的なビジョンを実現することを可能にしてくれる不思議な街だ。ファッションに対して、同じようなクリエイティビと知的なアプローチを持った友達と一緒に仕事ができる自分は、凄い恵まれていると思うよ。


スタイリストのKarloとは、長年友達で、ニューヨークで彼が製作した“Atelier”の大ファンなんだ。ブラック・ファッション・ムーブメントの新しいビジョンだね。映像のMichael Choは、最近ニューヨークで知り合ったんだ。彼の作品は、FW17のテーマである『American Me』のビジョンと似てる感覚を持っていたから、一緒に作品を作ったんだ。」



ーSpring/Summer 2018のコレクション 『Crusing』のインスピレーションそしてメッセージについてお話ください。こちらのコレクション発表は、NYチェルシー地区に長年あるゲイクラブEagleで開催されましたが、この場所を選んだ理由は何ですか?


2018春夏コレクションの『Cruising』は、2つのアメリカのサブカルチャーを力強く表現しtayo

。1つは、チカーノのカルチャーで、ローライダーの車が大通りをクルージングしていること。もう一つは、ゲイカルチャーでは知られているんだけど、セックスする相手を探すこと。この2つは凄いロマンチックで、僕は通常一緒にならないような全く違う世界を合わせて、そこから新しい何かを生み出すことが好きなんだ。このコレクションでは、「統一感」というアイディアをプレゼンテーションしたかった。異なる世界が存在していて、それらが合わさった「美」がどんなものになるかってこと。だからこのショーは、チカーノのローライダーを集めて、チェルシーの老舗レザー系ゲイクラブのEagleでやったんだよ。車はクラブの目の前にパーキングして、 Rosie & The Originalsの「Angel Baby」やSmokey Robinsonの「Crusing」をサウンドトラックにしてさ。」






ー東京に数回行ったことがあるそうですが、どんな印象を持ちましたか?


「世界中のどこよりも美や生活に対しての感謝の気持ちが繊細で、素晴らしいと思う。僕は日本食好きで、特にマヨネーズを使ったお寿司がお気に入り。是非また東京に行きたいよ。」



ー今後のブランドの目標は何ですか?


みんなと繋がることができる作品を作り続けることが目標だね。洋服って、着るとその人たちと一体化出来るから、ある意味パーソナルなんだと思う。だから、僕の全ての洋服に、社会正義の哲学を落としこみたいとも思っている。そして、ポジティブな意味に変えていきたい。これからも、毎日みんなが着て、ハッピーになれ気心地がいい、カジュアルな洋服を作りながら、常に進歩した服作りを心がけたいよ:)。」

 


Interview and Text by Mimi Tamaoki (@gcv212)


 


■INFO:
Willy Chavarria | 347-429-4342
137 Sullivan Street New York, NY10012


Willy Chavarrria
http://www.willychavarria.com
https://www.instagram.com/newyorkwilly/


 


DATE : 04.13.2018 | CATEGORY : FASHION, INTERVIEW

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