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UPSTAIRS AT ERIC’S -80年代から活躍する写真家
Eric Johnsonの今-
 

2019.01.24

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1980年代から2000年代にかけ、シーン を撮り続けてきた[Eric Johnson(エリック・ジョンソン)]。ヒップホップ好きなら、必ず彼の写真をどこかで見たことがあるはずだ。80年代のパンクロックシーン、ヒップホップが産業化してラグジュアリーになった90年代、そして、クラブチューンとしてのヒット曲も多かった2000年代。エリックのポートフォリオには、ビギー・スモールズ、アリーヤ、ローリン・ヒル、エリカ・バドゥ、マックスウェル、キャムロンなどの大御所アーティストの名前が連なる。デジタル化が主流になった現在でもエリックがフィルムに拘る理由、それは、『フィルムにはSoul(魂)がある』と言う。現在は、自宅の2階スタジオで、今のクラブシーンのキッズ達の撮影をしながら、才能のある若者をサポートするコミュニティを作り、自身のブランド『Upstairs atEric’s』を立ち上げたばかり。そんなエリック氏に当時を振りかえってもらいながら、お話を伺った。


Eric Johnson




いつから写真撮影に興味を持ち、フォトグラファーになったのですか?写真は子供の頃からのパッションだったのでしょうか?



ニュージャージー州ニューアークの出身なんだ。子供の時は自閉症で、いつもペインティングや絵を描いていた。自然と高校は、地元のアートスクールに行くことになり、演劇、音楽とアートの専攻があって、僕はアートで合格して入学することになった。高校3年の時は、半年は写真、もう半年はイラストレーションを勉強。写真のクラスを取り始めてすぐに、自分は将来フォトグラファーになるんだと確信していた。学校の友達の撮影をして、どんどんカメラの魅力にハマっていったんだ。


高校卒業後はFIT(Fashion Institute of Technology ファッション工科大)で写真を専攻して、18歳の時にNYに引っ越し。当時80年代半ばはクラブ通いして、ダウンタウンのクラブキッズ達の撮影をしていた。ちょうどパンクロックシーンが主流だったな。フォトグラファー、[Constance Hansen(コンスタンス・ハンセン)]のアシスタントをしてたんだ。


彼女は、グリニッチビレッジにある大きいスタジオを持っていたんだけど、ニュージャージに住んでいたから、僕が鍵を預かってさ。クラブで会ったキッズ達をよくスタジオに呼んで、撮影をしていた。すごく楽しかったよ。70年代のニューヨークのアンダーグランドシーンから出てきたブロンディとかトーキング・ヘッズもよくクラブやストリートで見かけたし。なにより当時のNYは今に比べて本当に現実的だった。アーティストでもNYで生活することができたし、クラブ、レコード屋、本屋、ビンテージショップがたくさんあった。



話しを聞いているだけで、面白そうな時代だというのが伝わります。当時エリックさんが影響されたフォトグラファーやアーティストはいますか?



Jill、 GQ、 Vogueマガジンなどのファッション雑誌をよくチェックしていたな。当時は雑誌の広告ページもクールだった。得にベルサーチの広告は今でも記憶に新しいくらい感動的だったね。僕は、誰かにインスパイアされたというより、人生そのものが僕にインスピレーションを与えてくれた。

クラブで会ったGrace Jones(グレイス・ジョーンズ)]を雑誌で見たり、[Steven Meisel(スティーブン・マイゼル)や[Tony Viramontes(トニー・ヴィラモンテス)]もクラブでよく会った。リアルなNYシーンだよ。当時の経験は僕のクリエイティビティを刺激したし、今でもオールドスクールのエッセンスを大切にしながら生活してるんだ。今のシーンのクラブキッズ達が僕のスタジオに集まって、デザインしたり、ビート作ったり。当時も今もクリエイティブなエネルギーに囲まれて、インスパイアされ続けているよ。



エリックさんの作品はファッションに限らず、ヒップホップの世界でも知名度が高く、ヒップホップ好きなら、必ずエリックさんの写真をどこかで見たことがあると思いますが、一番思い出に残っている作品を3つ教えていただけますか。



まず一枚目は、『The Miseducation of Lauryn Hill』(1998) by [Lauryn Hil(ローリン・ヒル)]。このアルバムは3年ほど前にアメリカ議会図書館のNational Recording Registryで永久保存版として登録されいて、ヒップホップ史の貴重な1枚になっているんだ。当時フュージーズの成功で、みんながローリン・ヒルに興味を持っていた。ある日クラブで彼女所属のレコード会社ソニーミュージックのA&Rと再会したんだ。前に僕はマックスウェルのアルバムカバーも撮影したことがあって、その作品の評判が良かったから、A&Rの人に、ローリン・ヒルの撮影もしてほしいから、会社で推薦してくれると言われたのがきっかけになった。

面白いことに、僕の母は美容師で、ローリンが子供の時から彼女のヘアーをやっていたんだ。有名になってからも、母のサロンに遊びに来てくれた。この作品を撮影できて、すごく嬉しいよ。



Lauryn Hill ローリン・ヒル



そして二枚目は、ビギー・スモールズとフェイス・エヴァンスが表紙を飾ったVibe magazine(October 1995)。撮影場所はブルックリンのダンボ地区の、ブルックリンブリッジが一望できる場所。参考作品は昔のローリングストーンの表紙で、クラシック感をだした作品に仕上げることだった。


ビギーは成功しているにも関わらず、撮影中もすごくチルしていて親しみ感があるアーティストで、今でも覚えている撮影場所でのビギーの言葉が、イーストリバーの目の前で、「マフィアがよくこのリバーに死体を捨てたんだ」と。昔を振り返ると、僕の写真のキャリアは、ヒップホップが盛り上がるのと比例してアップしていったような気がする。


始めはヒップホップ誌に写真が少し載って、それから、1ページ、見開き、6ページのファッションエディトリアル、そして表紙の撮影の仕事をもらえるようになったんだ。ちょうどビギーの知名度がどんどんアップするのと同時に、僕の作品の知名度もアップしていった。ビギーとはそういう意味で深い繋がりがあるような気がする。



Biggie small



三枚目は、Cam’ron(キャムロン)の『Come Home with me』(2002)。The DiplomatsがちょうどRoc-a-fella Recordsとパートナーシップを組んだ アルバムで、レコード会社のアートディレクターから仕事をもらったんだ。キャムロンの地元ハーレムでクルーみんなが、Dipsetの新品ジャージを着て撮影。ジュエル・サンタナの自宅、アパートメントビルの地下スペースでヘネシーを飲みながらカードをプレイしたり、ストリートでも撮影。リアルなハーレムをそのままビジュアル化した作品だ。



CAM'RON




こちら3つの作品の画像は、私の頭の中に焼きついているくらい覚えています。エリックさんは、その他にもたくさんのアーティストと仕事をした経験がございますが、一番どんなことに気をつけていますか?



僕自身がチルした人間だから、もしクライアントであるアーティストが僕の提案したアイディアが嫌だったら、他のアイディアでやろうよ!と提案するんだ。細かく計画されたアイディアでもないし、アーティストが自分の欲しいイメージのためだけに、無理やりやりたくないアイディアで撮影して、不快な思いだけはさせたくないしね。全てオーガニックに進行できるように心がけているんだ。



エリックさんの過去の作品から当時の雰囲気を感じとることができるのですが、撮影する時に気をつけていることはありますか?



直感力があるんだと思う。撮影場所の雰囲気やディテールに拘って撮影してるよ。被写体になる人達がどんなものに興味を持っていて、どういう人達なのか、ということも観察するようにしている。


僕自身エレガントとストリートのミックスしたスタイルを持っているから、自然と同じ感覚を持った人たちのことを理解している方だと思う。そして何より、話をよく聞く事。そうすることによって、相手のベストな部分をビジュアルで表現できる。前に刑務所に入っていた子からインスパイアされたことがあるんだ。ちょうど90年代中頃から2000年代初期のヒップホップは派手なイメージがあって、そういう写真ばかりを撮影していた時に、その子に言われたのは、大物アーティストが普通の自宅でチルしているシーンを見てみたいと。その時に、みんなが見たいイメージが何か?ということがクリアになった。そこから、エリカ・バドゥをメイクなしで、スパニッシュハーレムにある女性の家を借りて撮影したこともある。いろんな人とコミュニケーションすることで、インスパイアされるよ。



最近スタートしたアパレルブランド[Upstairs at Eric’s]についてお話聞かせてください。



パートナーのアレックスと一緒にスタートしたんだ。僕はクリエイティブ担当で、アレックスは弁護士だからビジネス面を担当している。ブランドの名前の由来は、今インタビューしている僕の家の2階『Upstiars at Eric’s』なんだ。12年前にこのアパートの3階に引っ越してきて、6年前にスタジオとして4階も借りることにした。この4階は、僕の仕事場でもあるんだけど、音楽やファッションの分野で才能がある若者が毎日集まってきて、作品を作っている。そんな意味で、若者のクリエイティブなコミュニティができているんだ。海外からアーティストのFKA TwigsとかがNYに来た時も遊びに来てくれる。不定期にここでDJを入れて、イベントやってコミニュティをサポートすることもしているよ。


今まで自分の写真を使ってブランドにしようというアイディアはなかったんだけど、よく僕の写真を無断でスクリーンプリントにしているブランドをたくさん見ていて、きっとマーケットがあるんじゃないかな?と思ったのがきっかけ。以前にいろんなブランドに僕の写真のライセンスをするアイディアもあったけど、自分たちで自分たち流にやってみようと思ったんだ!そこで、Barneys New Yorkで働いている親友に、ブランドを作ることを相談したら、たくさん貴重なアドバイスをくれた。また、ベルリン拠点のブランド[Ramdom Identities]にも親友がいて、すごいサポートしてくれた。


まず今季に発表したコレクションは、ビギー・スモールズ。ビギーの資産会社と契約して限定1500着を作ることに。これが完売してしまったら、再生産はできないから、他のアーティストものになる。アメリカではBarneys New YorkとDover StreetMarket。日本では、GR8UNITED ARROWSで取り扱ってもらってる。長年フォトグラファーをやっているから、80年代から2000年代の写真はたくさんあるんだ。今後は、シルエットも少しづつ変えて、ただのスクリーンプリントTシャツではなく、ファッション性があるアイテムを目指してるよ。


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最後の質問になりますが、写真を撮り続ける魅力とは何でしょうか?


わかんないな。ただ写真を撮ることが大好きなんだ。そして、写真を通してクリエイティブになれること。人生は一度きりだから、できる限り写真を通して自分を表現していきたい。いつか今まで写真を通して出会った人達のことを綴った本も出版して、みんながずっとその ストーリーを思い出にしてほしいね。


Interview & Text by Mimi Tamaoki @gcv212


 


INFO:
https://www.upstairsaterics.nyc
https://www.instagram.com/upstairsaterics/
https://upstairsaterics.org


 


 


 


DATE : 01.24.2019 | CATEGORY : INTERVIEW

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