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Jeff Sledge at Jive Records
 

2011.05.12

Jive Records

テクノロジーの進化と共に音楽業界に革命的な変化をおこした時代をリアルに体験し、長年にわたる業界の知識と経験で、現在のHip Hop、更には今後のHip Hop業界に多大な影響力を持つ人物、それがJeff Sledge(ジェフ・スレッジ)。過去には数多くのアーティストを育て、現在も将来のスター発掘に専念し、国内を飛び回っているジェフに、昔のエピソードやビジネス哲学を語ってもらった。

 



Universe:まずはじめに、あなたのJive Recordsでのポジションについて教えてください。

Jeff:JiveとBattery RecordsのA&R部門のバイスプレジデント(副社長)だよ。Battery recordsは、Jive records傘下のHip Hopレーベル。A&Rは、Artist and Repertoire((アーティスト・アンド・レパートリー)の略で、職務内容は、アーティストの発掘、契約、育成、アルバムの制作担当をしている。

Universe:どのくらいの期間、Jive Recordsで働いているんですか?

Jeff:かれこれ19年になるよ。1990年から96年までJiveで働き、その後Epic Recordsで1年半いたけど、またJiveに戻ったんだ。それと初めて働いたレコード会社は、Wild Pitch Recordsで、そこではプロモーションを担当してたかな。会社のオーナーと彼の奥さん、そして僕の3人だけの小さいレーベルだったけど、Gang Starr、Main Source、Lord Finesseなんかと一緒に仕事したよ。この会社では僕のキャリアにとって貴重な経験をしたと思う。人数が少なかったから、全ての仕事を一人でやらなきゃいけなかったからね。僕が初めてレコード会社に働き始めた時は、業界の人を誰も知らなかったんだ。オーナーが、太いバインダーに入った電話帳を持ってきて、もちろんアルファベット順になんかなっていないやつね。ただ、たくさんの電話番号が書いてあるだけ。僕はそのバインダーに載っている全ての番号に電話するよう指示され、ラジオや雑誌、レコード会社の人達へ電話したのを覚えているよ。昔の経験によって幅広いレコードビジネスの知識を学んだと思うな。プロモーション担当でも、Wild Pitch Recordsのクリエイティブなプロセスに全て関わっていたから、気づかないうちにA&R的な仕事もしていたんだ。僕がJive Recordsに入った時は、Barry Weissがプレジデントだったんだけど、彼は僕のWild Pitch Recordsでの経歴を知っていて、ラップのプロモーション部門担当として雇われたけど、A&Rとしての経歴も認めてくれて、Jive RecordsではA&Rの会議にも参加するように言われたんだ。 そして最終的には、A&R部門をフルタイムで担当することになり、今に至るというわけさ。

Universe:それではJive Recordsで契約したアーティスト名を教えてください。

Jeff:たくさんいるから、もし忘れてたら大変申し訳ない。でもみんなリスペクトしているからね。KRS-One、A Tribe Called Quest、Keith Murray、Aliyah、E-40、 Too Short、Shaquille O'Neal、Mystikal、The Pac、Mickey Factz、Spice 1、その他たくさん。Wild Pitch Records時代は、Gang Starr、Main Source、Lord Finesseとかかな。

Universe:しかしすごいメンバーですね! 次に1日の仕事のスケジュールを教えてください。

Jeff:5時に終わる職業ではないし、時間的にも不規則だと思う。まず出社して、ネットでシーンのチェックすることから1日が始まるな。チェックするサイトは、bossip Media Take OutNah RightMiss Info。その次に、担当しているアーティストやプロデューサーと電話ミーティングすること。また、いつでも新しいタレントを探しているから、NYだけではなく他の州にも出張し、ライブ見学もしているね。最近はアトランタによく行ってるんだ。



Universe:今までやった仕事の中で一番印象に残っているものは何ですか?

Jeff:一つだけ選ぶことは難しいね。アーティストはみんな違うし、それぞれ思い出があるからね。きっとこれからもっと凄い出来事があるかもしれないな。

Universe:どのようにして才能のあるアーティストを見つけるのですか? そして、心がけていることは?

Jeff:アーティストが歌えるか歌えないかはもちろん重要だけど、そこだけを見るのではなく、そのアーティストのムーブメントがホットかどうか必ず見極めるようにしている。毎回決まったタレントを探しているわけではないけど、どんなキッズがそのアーティストの曲を聞いているか、その曲でキッズ達がダンスしたり盛り上がっているか、ということだよ。そして、必ず契約したいアーティストがどのように地元で指示されているかも必ずチェックするようにしている。最近契約を考えているワシトンDCのアーティストの例をだすと、彼のNYのショーに招待されたんだけど、僕はNYのショーではなく、わざわざアーティストの地元である、DCでのショーを見に行ったんだ。理由は、彼が地元でどんなファンがいて、ファンの反応はどうかをリサーチしたかったんだ。そういえば、すっごい昔の話になるけど、DJ Clark Kentが、ブルックリンのベストラッパーを紹介したいから、会ってくれと言われたんだ。そのアーティストは、ジェイ Zだった。そのミーティングには、Clark KentとまだRoc-a-fella Recordsができる前のJay Z、Damon Dash、Damonの2歳になる息子、Ski Beatzがいたな。ClarkがジェイZのデモを聞かせてくれたんだ。デモはいい感じだったけど、契約するに至らなかったな。今になってすごい後悔していることは、Damon DashとJay Zと時間をかけて話さなかったことだ。きっと時間をかけて話したら、彼らのRoc-a-fellaのムーブメントのことやDamon Dashのマーケティング戦略等を話してくれたと思う。未だ僕も若かったから、音楽を聞いただけで、アーティストがどれだけストリートでリスペクトされているかまで探ることができなかったんだな。この経験で学んだから、それ以来は、アーティストと必ず時間をかけて話すように心がけているよ。

Universe:今のHip Hopシーンについてどう思いますか?昔と今の違いは?

Jeff:オールドスクール時代は、アーティストが時間をかけて自分たちの曲を作ることに没頭したり、情熱があったね。プロデューサーを例にとってみても、Pete RockもPremierも自分たちのオリジナルのサウンドを持っていて、アーティストもそれぞれ異なったスタイルがあったと思う。今のシーンは、Hip Hopはお金を稼ぐための手段になっていて、ベントレーやランボギーニ等の高級車が欲しいとか、可愛い女の子にもてたい、という情熱の方が大きいように思える。昔はHip Hopはお金を稼ぐ手段ではなかったからね。それに、昔はレコードを作るためには、レコーディングスタジオに行って、スタジオ代を払ってレコードを作っていたけど、今はテクノロジーが発達したため、コストがかからずに、プラグがあればベッドルームからでもレコーディングできるし、更には、自分でインターネットからどこからでもプロモーションとセールスも可能な時代だ。昔は、LAやNYのマーケットにいなかったら、レコードのプロモーションやセールスは難しかったからね。昔のように勉強して、時間のかかるプロセスを通らなくていいことは、素晴らしいことなんだけど、この今のプロセスがいいか悪いかは分からないね。

Universe:今後のプロジェクトは?

Jeff:今新しいアーティストを契約する過程だ。まだ名前は明かせないけどね(笑)。

Interview&Text: Mimi Tamaoki

 

Jeff's Works(過去の作品から順に並べています。)

 

 


DATE : 05.12.2011 | CATEGORY : MUSIC

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