Y-3Y-3
YOU THE ROCK★ WILL NEVER DIE
 

2011.07.07

You The Rock

 



 

90年代前半からジャパニーズヒップホップシーンを牽引し続けてきたYOU THE ROCK★。MCという枠を超え、様々な分野で活躍した実績を引っさげ、 今回復活に至った経緯をUniverse magazineだけに語ってもらった。

「色々と皆様にご迷惑をお掛けしてしまいましたがストリートに戻ってきました。やっぱりすぐには活動が出来なかったというか、苦しかったんですね。毎日HOT97とかを家で聴いてたり。色んなストリートの雑誌とかも、買わないんだけどチェックしたりすることで、どんどんとこう、自分の中で込み上げてくる物を抑えられなくなっていったんです。それでもやっぱり反省していたので、なにか人の役に立つこと事が出来ないかなと考え始め、自分のスキルだったり色んな事を考慮して五反田にある介護の学校に通ったんですよ。そこでホームヘルパーの資格を取得し、そこで学んだ事を活かすために、色んな現場にも行きました。特別老人ホームとかデイサービスとか。介護の歴史とかも学んでいくうちに、介護のシステムに矛盾があることに気づき始めたんです。だから資格を持っていても離職率が50%もあったりして条件が悪いんです。で、そこに関してイラってしたというか、ヒップホップで言いたかった事とリンクして、ここもちゃんと言わなきゃいけないというか、やってる側が変えていかなくてはいけないと思い始めたんです。老人ホームのレクリエーションとかにも行ってったんですけど、それって俺にとってはライブだからやっぱり盛り上がるんですよ。でもその反面、俺がいたらマスコミが来たりとかで利用者さんやその身内の方にも迷惑がかかるなって思い、全部辞退させてもらいました。俺的にはせっかく資格も取ったのに全然役に立たないなんて思ったりもしました。そんな中で雷の俺に対するメッセージソング「2U」とかもあったり、風営法でクラブでのパフォーマンスが厳してなったりして。そうすると、大人しくしてるって考えじゃなく、そういうのを変えようと思う気持ちが強くなってきたんです」

 

 

一度現場を離れることにより、シーンをより俯瞰出来るようになったYOU THE ROCK★。それでもまだ心の葛藤があり、素直には行動に起こせない日々が続いていたようだ。

「僕の元相棒のDJ BEN THE ACEの家に度々相談に行ってまして、そこで『何でそんなに悩んでんだ?お前が復帰して何が悪い。お前だけだよ、自分でそうやって考えてんの』みたいなことを言われてたんですけど、それでもなかなか心が動かなかったんです。でもさらに彼は『もちろんラッパーとしての才能はあるけど、ヒップホップサイドからのラジオのMCとしても才能があるんじゃないか』と提案をしてくれて。それで彼が11年も担当しているSHIBUYA FMでのミックスショーの新しいパーソナリティとして招き入れてくれたんです。その中で僕が帰ってきた事をアナウンスしたんですね。そうしたら、レスポンスが5000件くらい来たんですよ。自分が想像していた以上にすごくて、それを見ていたらだんだんと自信に変わっていったんです。BENちゃんにも『これがお前の評価だよ』って言われました。リアルタイムに評価が返ってくるというか、やっぱりヒップホップのトラックの上に俺の声が乗るっていうのは、最初に俺がラジオをやっていた時から聴いてくれている人にとってはたまらないというか、逆に俺もそこをわかってやってるので、すごくリラックスして出来ました。ヒップホップによって生かされてるのをすごく実感して、本当に感謝してもしきれないですね。だからこそもっともっとヒップホップをやろうと決めたんです。あとは今回色々あったにもかかわらず、ファンの人達に待っててもらえたってことをここ最近すごく身近に感じていて。待っててもらうっていうのはすごいことなんだって。期待してくれてるとか、まだまだ頑張れ!とかね。この間なんか、いつも行く富士そばのおじさんにまで『YOUちゃん今度は倍返しで挽回しないとダメだよ』とか言われてホント励みになりましたよ。俺ってありがたい事にそういう所があって、ヒップホップのファンももちろんいてくれるんですけど、街の人もすごく応援してくれるんですよね。中目黒や渋谷の街を歩いている人とかに、よく声を掛けられて、みんな応援してくれるんですよね。それも決意した理由のひとつです」

 

 

いよいよシーンに復帰した彼が、今度はラップという武器を使ってどんな事を表現し、そして伝えていくのだろうか。

「俺はいつもそうなんだけど、暗い曲とか悲しい曲は書きたくないと常に思っていて。愚痴はすぐ出てくるんだけど、人の事を褒めるのが得意な人ってあんまりいないじゃないですか。だからこそ俺は、楽しいとか面白いとか、ハッピーになるとか、そういう事にいつもチャレンジしたいなと思っているんです。タイミング的にもそうなんですが、今は言いたい事がいっぱいあるんで、それに対してまずは発信していきます。法律や政治、メディアの事もそうですね。更には、震災以降みんなわかってるけど言わない事とかを、俺は俺のやり方でもっとライトに表現したいなと。違うアプローチで原発のことや風営法の事を明るく変えていきたいって気持ちがありますね。俺はユニークなことはもっと認められるべきだと思ってて。キングギドラのやり方もあるけど、斉藤和義さんのやり方もあるしね。じゃあどっちがユニークっていったら、自分でカバーしてる斉藤さんの方がバカバカしいし、面白いなあと思って。俺はその戦い方がすごく共感できたからそういう方向でやっていきたいなと。これは決してDISじゃないんで、両者に対して(笑)。あとは、やっぱり2年近く離れていたんで、色々なことが客観的に見られるようになってきたんです。俺はずっとヒップホップの中にいたから、当たり前の事が当たり前じゃないんだなんてことも今さら分ったりもして。だからこそ、もっとやり方を変えていきたいです。雷は雷としてやってるんですけど、自分のソロアルバムが出せたら、ガラっと変わるんだろうなと思いますね」

 

 

彼らしい視点と戦い方で、いま伝えたいメッセージを今後世の中にどう発信していくか、ファンならずとも興味があるはずだ。

「まだ全然わかんないんですよね。今出来ることは自分でやって、スタジオに入る時間はどんどん短くしていきたいんですよ。なんか自分で自分の中のテーマが変わっていくのが良く分っていて。ヒップホップ的なヒップホップがどんどん無くなっていくんだろうなと感じています。現段階で上がっているトラックがあるので、来月中にはレコーディングになるかなと。「HOO!EI!HOO!」の2011verをセルフカバーでやります。それは本当に戦いたい事の一つです。アメリカとかって朝までクラブ営業をやらないんですよね。俺はその遊びのスタイルが好きで、例えば酔っ払ってベロベロのやつとかは店から出されたりもしますし。ある意味、日本のクラブは居酒屋みたいになってる部分があるから、そういう意味では朝までずっというのもちょっと違うんじゃないかって自分の中であったりもします。38歳の時に10枚目の『ザ・ロック』を出して55ヶ所くらい全国周ったんですけど、出番が4時過ぎとかだとしんどいんですよ。もう新聞配達してんじゃん!とか20年目くらいにして思ってしまい(笑)。やっと出番でステージに上がっても、今度はオーディエンスがベロベロだったりするわけですよ。そこでコンシャスで社会的なラップ歌っても、いま伝えたいことは伝わらないですよ。だったらデイ・イベントとというか、夕方とかに街の一角とかで出来たらいいなって思うようになりました。本来ヒップホップはそういうモノだと思うからね。その現場に子供やお母さん、おじいちゃんとかまでいて、プラス元気なBボーイもいたら素敵だなって。そこをMCが仕切ってメッセージを放つ。それでメッセージを聞いた子供達が、タフにサバイブして生きていけるような事がしたい。もう学校みたいな感じですよ。もし、そんな塾があったら行きたいし、そんな部活があったら本当のクラブ活動でしょ。例えばドロップアウトしちゃってるけど、いつも絵を描いてるやつとかに俺のロゴマーク描かせたり、機会を与えることで表現させるみたいなことをよくしてたんです。そんなに喧嘩ばっかして言い合ってるなら、俺の横でサイドMCやれよ、みたいなね。好きなことやってても食えなかったら意味がないみたいな風潮もありますよ。でも俺が思うのは、好きだからやってる、続けているという、そのエネルギーはすごく大事。傍からみたらバカみたいかもしれないけど、本人にしたら大真面目ですよ。それは個性だから、本来は一番認められるべき所なはず。俺は引きこもりの人達を認めているところがあるんです。なぜなら、引きこもるにはそれなりのエネルギーがいるんですよ。理由があるんですよ。ただ遊んでだらだらしてるんじゃなくて、彼らは彼らなりの、それが表現だと思うんです。日本は政治を見ててもそうだけど、これはダメだというだけで、どうしてダメなのかを説明してくれないとこがありますからね」

相変らず変わらない熱い人間性を感じることができ、何故かホッとした今回のインタビュー。最後に熱いメッセージを送ってもらった。

「俺からヒップホップを決して奪うことはできない。ヒップホップは死なないし、俺自身も生きている限り死なない。そして毎日動いて、Don't Stop 止まらずに。でも、頑張りすぎちゃうと、はち切れちゃうから、伸びたら縮んで伸びたら縮んで、少しずつ進んで行くように、みんなも努力して頑張って欲しい。これから新譜なり新しい作品、新しい形でのパフォーマンスっていうのがあると思うんで、みんなも近くにいたら遊びに来てください。ツイッターで相談したいこととか、悩んでることとかあったら、俺なりのメッセージを返せると思うので待っています」

 

 

twitter:YTR_BTA(@spellbound_fm)
YOU THE ROCK★に関するお問い合わせ先:infoytr@bbpbx.com
Special Thanks:BBP
 
Photograph:Masaru Sato(MALULANI)
Text :Universe magazine

 


DATE : 07.07.2011 | CATEGORY : MUSIC

635pxライン画像

THROWBACK